TOKYOまち・ひと物語

冷凍幼児食で働く親支援 鬼海翔さん

homeal立ち上げのきっかけとなった息子の写真を見せながら意気込みを語る鬼海翔社長=9日、新宿区(石原颯撮影)
homeal立ち上げのきっかけとなった息子の写真を見せながら意気込みを語る鬼海翔社長=9日、新宿区(石原颯撮影)

 どうしても忙しくて料理が作れない、でも子供の栄養が足りているか心配-。そんな悩みに応えようと東京都町田市のベンチャー企業「homeal(ホーミール)」が始めた幼児向けの冷凍食品宅配サービスが人気を集めている。1月のサービス開始からわずか4カ月で1万食を突破した。自身も子育て中の鬼海(きかい)翔社長(32)は「忙しい中で料理を作るのが辛いというときの、救世主になりたい」と意気込んでいる。(石原颯)

 鬼海さんが冷凍幼児食に乗り出したきっかけは昨年5月、当時1歳だった息子が乳児湿疹を発症したことだった。頬が真っ赤に染まり、弱った姿を目の当たりにした。看護師でもある妻とともに看病に当たったが、自身の無力さを感じ、「自分の子供の成長のために何ができるかと本気で考えた」という。

 食事ならば子供の健康をサポートできるのではないかと一念発起。起業を支援するコンサルタント会社での経験を生かし、自ら起業することを決めた。

家族で一緒に

 ホーミールは離乳食を卒業した後の1~6歳ごろの「幼児食」に特化した調理済みの冷凍食品だ。商品開発には栄養士などの専門家が入り、国産野菜や厳選食材だけを使用し、栄養バランスが考えられた商品になっている。

 幼児期は子供の身体が成長するだけではなく、脳や神経系の発達も進む時期だ。栄養面や塩分を少なくするなど食事に気を使う一方で、共働きで仕事に追われ、料理に十分な時間を割けない親も多いという。

 「今までは『ごめんね』といいながら塩分の多いスーパーのお総菜を買っていた。安心して食べさせられる幼児食の専用サービスがあれば、そんな働く親の助けになれる」と語る。

 「子供が一人で食べる『孤食』だけでなく、別の物を食べる『個食』も避けたい」と、1袋は大人と子供1人ずつが食べると適量になるように設定されている。調理は温めるだけなので、料理が苦手な父親が週末に子供と2人で過ごすときにも使えるという。

 本格的なサービス開始に先駆けて昨年10月、需要調査を兼ねて行ったクラウドファンディング(CF)では目標の2倍となる60万円を集めた。今年1月に本格的にサービスを開始。コロナ禍で家で食事をすることが増えたことも後押しし、口コミで広がりわずか4カ月で1万食を突破した。