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イベント緩和でココアの普及課題に

ココアの導入にあたり政府は、プライバシー保護を重視した。ダウンロードは任意のため、懸念を持たれれば活用は広がらないからだ。中国や韓国では、位置情報を集める「衛星利用測位システム(GPS)」を使ったシステムのため個人情報の漏洩(ろうえい)懸念が残る。そのため、ココアは個人の位置情報などが特定されないよう近距離無線通信「ブルートゥース」を使った。米アップルと米グーグルの方式を採用。ドイツや英国もこの方式を使っている。

しかし、データの利活用に関する調査などを行う国際経済連携推進センターが9月に実施した調査では、コロナ感染に不安を感じている人の割合は76・2%に上ったが、ココアの利用率は18・8%にとどまった。非利用者の47・3%がプライバシーに関する懸念があると答えており、同センターは「プライバシーに配慮しているということが国民に十分に理解されていないのではないか」と分析している。

もっとも、多種多様なアプリも含めスマホの利用者は、同意など条件はあるものの、プライバシーに直結したGPSの位置情報も事業者に提供しており、ココアへの懸念は過剰反応にも見える。政府関係者は、「感染という繊細な個人情報に加え、政府が立ち入ってその情報を扱うことへの警戒感があるのではないか」と話す。

ココア普及の参考となりそうなのが、デジタル先進国である都市国家シンガポールだ。同国もブルートゥースを利用した接触確認アプリ「トレーストゥゲザー」を3月20日に導入し、担当閣僚らがプライバシーに配慮した仕組みを国民にアピールしてきた。同国政府によると、10月末時点で国民の半分近い300万人が利用。2万5000件の接触を特定し、その情報を基にした検査で160件の陽性を確認したという。