父の漫画を初の実写化 「ばるぼら」手塚眞監督(1/2ページ) - 産経ニュース

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父の漫画を初の実写化 「ばるぼら」手塚眞監督

「手塚治虫本人が道に迷いながらもそれを楽しんでいる雰囲気がある」と「ばるぼら」について語る手塚眞監督=東京都渋谷区
「手塚治虫本人が道に迷いながらもそれを楽しんでいる雰囲気がある」と「ばるぼら」について語る手塚眞監督=東京都渋谷区

 手塚眞(まこと)監督(59)の新作「ばるぼら」は、手塚治虫(おさむ)の大人向け漫画が原作。「神様」とも呼ばれる父親の漫画を実写化するのは、これが初めてだ。なぜ「ばるぼら」なのか。「父の漫画で今、映画にするならこれしかない」と熱く語る。(石井健)

エロチシズムや魔術

 「ばるぼら」は、治虫が昭和48年から青年漫画誌に連載。芸術の女神か魔女か。東京の新宿で「ばるぼら」と名乗る女性と出会った作家が破滅していく姿を描く。エロチシズムや魔術などを交えた独特の雰囲気がある。手塚監督の映画では、ばるぼらを二階堂ふみ(26)、作家の美倉を稲垣吾郎(46)という人気者が演じる。

 「漫画が描かれた頃、高度成長がひと区切りを迎え、格差社会のようなものが見えてきていた。今の時代を表現するのに、一番いいのではないか」

 現代と重なるから「ばるぼら」なのだ。さらに、ほかの手塚漫画の実写化も検討している。さかのぼれば、20年近く前に「ブラック・ジャック」の実写化に取り組んだこともあった。無免許の医師が主人公。手塚漫画の代表作の一つだ。このときはうまくいかず、曲折の末にテレビアニメにしていた。

「気がつけば近い場所に」

 漫画とアニメは仕事にしない。父親の苛烈な仕事ぶりを見て心に決めたが、気がつけば近い場所に立っていた。その容姿、優しい声音も父親にそっくりになった。

 生前、漫画の天才は「僕は物語を作る作家だが、お前の映画は映像自体が語る。お前は、そういうのができるからいいね」と息子の才能を認めていたという。