アフリカウオッチ

アフリカしぼむ民主主義 任期帳消し、強権化…「中露モデル」拡大

また、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は10月中旬、アフリカの選挙に関する記事で、権力側は司法当局や選管を懐柔して自陣に有利な判断を引き出したり、野党候補を何らかの罪で訴追したりして、自らに有利なルール作りを進める傾向があると分析した。

アフリカでは赤道ギニアの「41年」やカメルーンの「38年」を筆頭に指導者の在位期間が20年を超える国が10カ国あり、ガボンやトーゴでは一族支配が半世紀以上続いている。不明瞭な形で延命を図る権力者がこの流れに加われば、アフリカで自由や民主主義の拡大を望むこと自体、困難になるといわざるを得ない。

民主主義の衰退はアフリカだけでなく世界中で広がっているという分析もある。スウェーデンの調査機関V-Demによると、昨年には2001年以来初めて、民主主義の国家が87カ国と、非民主的な国家の92カ国を下回った。

民主主義の下で暮らす人口は世界の46%に過ぎず、地域によってはソ連が崩壊した1991年以来の低水準だとし、「世界で強権化が進んでいる」と警鐘を鳴らしている。

最高指導者の延命と権力強大化を図る改憲の動きは近年、大国でも相次いだ。中国では2018年に国家主席の任期が撤廃され、習近平主席の「終身独裁」に道が開かれた。ロシアでは今年、プーチン大統領の現在の任期が切れる24年以降の出馬が可能になった。

中露は周辺国への高圧的な外交や覇権的な行動で自国に優位な形での「現状変更」を模索し、国内では反体制派やメディアを徹底統制する強権姿勢で知られる。

中東では曲がりなりにも民主主義が機能してきたとされるトルコでも、17年に議院内閣制から大統領が実権を握るシステムに移行したのに伴い、エルドアン大統領が強大な権限を手にした。

民主主義陣営に属する日本としては、中露を含むこうした強権国家が世界に広がりつつあることを胸に刻んでおくべきだろう。

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