今年に入りバイクなど二輪車の交通死亡事故が大幅に増加していることを受け、警視庁は10日、東京都千代田区内で街頭啓発活動「二輪車ストップ作戦」を実施し、運転手らにヘルメットの正しい着用方法などを指導した。
警視庁によると、今年の都内の二輪車乗車中の交通事故の死亡者は35人で、昨年同期に比べ14人増加しているという。
また、交通事故の全死亡者における二輪車乗車中の割合(昨年)は21・1%で、全国平均(15・9%)よりも高い数値を示しているという。
都内では、単独事故のほか、直進中の二輪車と右折中の車との衝突が目立つといい、担当者は「車からは速度がそれほど出ていないように見えたり、距離も実際より遠く感じてしまったりして、事故につながっている」とみている。
一方、警視庁が二輪車乗車中の死亡者の状況を詳しく分析したところ、致命傷となったのは、頭部が最も多く35・7%で、死亡者の約4割が事故の際にヘルメットが脱落していたという。
ヘルメットのあごひもを適切に結束していない運転手も目立つとされ、致命傷で2番目に多い胸部(32・1%)を守るプロテクターの着用率は、8・4%にとどまる統計もあるとしている。
このため、この日の街頭活動では、白バイ隊員らがバイクを停車させ、運転手らのヘルメットのあごひもが緩んでいないかといった着用状況などを確認。事故の現状を伝えるパンフレットなども配って、運転手らに安全運転を促した。
警視庁の担当者は「今一度、交通安全意識を持ってもらい、悲惨な事故を減らすための行動を心がけてもらいたい」と話した。