衝撃事件の核心

SNSで拡散「個人間融資」…全裸写真担保に苛烈取り立て

債務者に逃げられないよう、全裸の写真を自撮りさせ、身分証の画像も送らせた。返済が滞れば、自宅の玄関ドアに全裸写真を拡大コピーして貼り付け「写真をネットにばらまく」と脅したほか、女性に性行為を要求して行為を動画撮影し、アダルトサイトに投稿するなどした。逮捕のリスクを考慮し、債務者の男性に取り立ての代行もさせていたという。

たとえ個人でも繰り返し金を貸せば「貸金業」とみなされ、国や都道府県への登録がなければ、林被告のように貸金業法違反に問われる。ただ、SNSでは個人を装ったヤミ金業者による融資を呼びかける投稿が相次いでおり、ある府警幹部は「SNSの普及で、素人でも簡単にヤミ金を始められてしまう。借り手は安易に手を出してはならないが、貸金業が疑われるような投稿にも規制をかける必要がある」と指摘する。

増加するトラブル

国民生活センターによると、SNSを通じた個人間融資をめぐる相談件数は平成30年度から増加。例年20~30件で推移していたが、昨年度は少なくとも70件に。SNS経由の気軽さから若者の利用も目立ち、少額融資を発端に大きな代償を払う危険性がある。

近年は、性的関係を見返りに女性に金を貸し付ける「ひととき融資」と呼ばれる手口が流行し、融資や返済のたび関係を求められるという相談が増えている。また、今年は新型コロナの影響で職を失い、生活苦に陥った人が個人間融資に頼って、法外な利息に苦しむケースもあるという。

金融庁は昨年秋、公式アカウントを開設し、ツイッターでのネットパトロールを開始。昨年11月~今年10月までの間、融資を呼びかける回数が多いなど悪質性の高い計191件の投稿に注意喚起を行い、削除につなげるなどした。

同庁の担当者は「注意喚起できたのは氷山の一角にすぎない。SNSに潜むヤミ金に手を出せば、法外な金利だけではなく、個人情報をネットにばらまかれるなど二次被害も甚大。継続して注意を呼びかけたい」と話した。

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