書評

『私は女になりたい 』窪美澄著

 美容皮膚科医の赤澤奈美は47歳のシングルマザー。老いた母の面倒を見ながら一人息子を育ててきた。ある日、元患者で14歳下の業平公平と出会い、恋に落ちるが-。

 2人の距離が近付いていく様子は、初恋のように初々しい。ただ、年齢を重ねてからの恋は、自分の感情だけではうまくいかない。母親、娘、クリニックの院長、とさまざまな肩書を抱えた奈美は、厳しい現実に直面する。

 人生の折り返し地点に立つ女性が、恋を通して生き方を模索するストーリーは、女性の性と生に寄り添ってきた著者ならではだ。(講談社・1600円+税)