米大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領(77)の当選が確実になった7日、バイデン氏の地元、東部デラウェア州ウィルミントンや首都ワシントンなどでは支持者らが街に繰り出し、歓喜に包まれた。一方、開票の不正を訴え、抗議を続けるトランプ大統領(74)の支持者からは「決して受け入れない」などと拒否する声が聞かれた。(東部デラウェア州ウィルミントン 住井亨介、ワシントン 平田雄介、東部ペンシルベニア州フィラデルフィア 上塚真由)
◆バイデン氏地元
バイデン陣営が選挙対策本部を設けるウィルミントン市内の会議場近くの駐車場には7日午後、数百台の車が詰めかけ、支持者らが「U・S・A! U・S・A!」などと大合唱した。 「居ても立ってもいられず、ここへ来た」と話したのは、ルディー・トーティーさん(67)。トーティーさんは「彼は副大統領としての経験もあるし、誠実で公正な人柄」とバイデン氏を手放しで絶賛。また、トランプ氏のテレビ番組司会者時代の決めぜりふをもじって「トランプ、お前はクビだ」と書いたプラカードを掲げていた高校生のケナ・モーガンさん(15)は、「バイデン氏なら断絶を解消してくれると思う」と期待を込めた。
バイデン氏と50年以上の付き合いがある同州の民主党代議員、リタ・ヒューズさん(70)は滞在するウィルミントン市内のホテルで「勝利」の速報を確認し、他の支持者らと涙を流し喜んだ。「4年前は悔し涙だったが今回はうれし涙だ。この上のない幸せ。差別や分断で傷ついた国をジョーが癒してくれる」とヒューズさんは語った。
地元では親しみやすい人柄で知られ、「中流階級のジョー」とも呼ばれるバイデン氏。無職の黒人男性、ケン・ホワイトさん(68)によると、「ボディーガードもなくウィルミントンの街を歩いている」といい。ホワイトさんは、トランプ氏を「人種差別主義者だ。われわれ黒人に何もしてくれなかった」と一刀両断する一方、「ジョーならわれわれにも雇用を生み出してくれる。これで希望が持てる」と興奮さめやらぬ様子で語った。