「Google ドライブ」を悪用したフィッシング詐欺が急増中、メールの監視をすり抜ける新たな手口の中身

ILLUSTRATION BY SAM WHITNEY; GETTY IMAGES
ILLUSTRATION BY SAM WHITNEY; GETTY IMAGES

 「Google ドライブ」を悪用したフィッシング詐欺が急増している。迷惑メールのフィルターをすり抜けて不正なリンクをユーザーに届けてしまう今回の新たな詐欺は、いったいどんな手口なのか。

TEXT BY JAMES TEMPERTON

TRANSLATION BY CHIHIRO OKA

WIRED(US)

ネットの犯罪者たちは、新たな釣り餌を見つけたようだ。「Google ドライブ」を悪用したフィッシング詐欺が報告されており、特に問題はなさそうに見える電子メールやポップアップ通知を開くと、不正なウェブサイトに誘導されてしまう。

危険なリンクをクリックさせようとする詐欺行為はインターネットの創世記から存在するが、うっかり罠にはまってしまう人もいるだろう。今回のフィッシング詐欺で特徴的なのは、電子メールや通知はグーグルのシステムから送られてくるという点である。

スマートフォンの場合、ファイル共有を知らせる通知をクリックすると、悪意のあるリンクを含んだドキュメントが表示される。電子メールも同じで、ハッカーが作成した不正なリンクを含むメールがグーグルから送られてくるのだ。

悪用されたファイルの共有設定

Gmailのフィルター機能は非常に優れており、普通の迷惑メールならうまくブロックしてくれる。ところが、このメールはきちんと受信箱に入っているだけでなく、送信元がグーグルであることで詐欺メールには見えない。電子メールのフィルター機能が改良されたことで、犯罪者たちはどうすれば標的に不正なリンクをクリックさせられるか模索しており、今回はGoogle ドライブが選ばれたというわけだ。

Google ドライブの初期設定では、特定のファイルをほかのユーザーと共有するよう設定すると、そのユーザーに通知が送られるようになっている。仕事でプレゼン資料や新プロジェクトの概要を確認してもらいたい場合には便利な機能だが、一方で狙った相手に不正なリンクを見せる格好の手段にもなりうる。

犯罪者たちは膨大な量のGmailアカウントのリストを利用したようで、ここ数週間でかなりの数の被害が報告されている。『WIRED』UK版でもこのフィッシング通知を受け取ったことがあり、そのうち1件にはロシア系の名前のGmailアカウントによって作成されたGoogle スライドのファイルへのリンクが含まれていた。

ファイルの編集履歴を確認したところ、別のファイルのコピーとして作成され編集が繰り返されており、犯罪者たちが犠牲者を増やすために頻繁に新しいユーザーを追加していたことがわかる。『WIRED』UK版はこのメールアドレスの主と連絡をとろうとしたが、返事は来ていない。また問題のファイルは、グーグルの利用規約違反で削除されている。

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