朝晴れエッセー

中華鍋・11月8日

一大決心をした。ポストに無料回収のチラシが入っていた。今までも何度も見ているが、なぜか今回は、思いたった。

わが家には、なかなか年季の入った中華鍋がある。たまに子供が家に寄った際に見つけると、「まだ使ってるの?」と、目が言ってる。

私にとっては、思い出がいっぱいの中華鍋。野菜炒め、焼きそば、そして正月前には2キロのからあげ…、なんでもこの鍋で間に合わせていた。

いつ頃よりわが家にあるのか、記憶が定かでないが、結婚してしばらくたった頃、「まだ使えるし大きいのは何かと便利よ」と母。邪魔だとは思ったが、持って帰ってきた。正解だった。母に感謝である。

あっという間に月日は流れ、子供4人にも恵まれ、義母と7人家族にとっては、必要不可欠のものとなった。

今、わが家は私1人。習慣とは恐ろしいもので、1人分の食事でも大鍋を振り回していた。

私も疲れてきていることを自覚しなければ。ついこの前も、なんにもないところで足をつまずかせ、ビックリして思わず、あたりを見まわす。自分で笑ってしまった。

すでに鍋も油でコテコテ。私が決心すればすむこと。思いきろう。

朝一に、回収場所にそっと置いてきた。

上間自(より)子(73) 大阪市東淀川区