大阪都構想を再び廃案に追い込み、僅差で勝利した自民党大阪府連だが、前途は多難といえる。国政で連立を組みながら住民投票で対決した公明党との間に一部でしこりが残るほか、都構想への賛否が割れた大阪府市両議員団の対立もはらむ。次期衆院選までに府連として結束できるかどうかは見通せない。
「フラットと考えてもらっていい」。都構想が否決された1日夜、自民市議団の北野妙子幹事長は記者会見で、公明との距離感についてこう表現した。
北野氏は住民投票と衆院選の同日実施が取り沙汰された9月ごろ、公明現職が議席を確保する衆院選挙区に出馬する可能性を示唆し、物議を醸した。
北野氏は「あくまで選択肢の一つだった」と釈明。府連幹部も「こちらとしてはノーサイド」と幕引きを図るが、市議団の中では、推進派に方針転換した公明党に対し「許せない」との恨み節も。次期衆院選に向けた協力関係に影を落としている。
住民投票をめぐり、反対で一致した市議団と対照的に、府議の一部は賛成し、足並みが乱れた。
多賀谷俊史府連幹事長は「最終的に府議団の多数が反対に回り、活動への支援も積極的だった」と強調する一方、「賛否が割れたのは事実」と認める。最後まで反対運動に参加しなかった府議もいて、後味の悪さは残る。
都構想の対案を示すこともできず、大塚高司府連会長は「大阪の発展がどうあるべきか考えさせられた。府連改革にも取り組まなくてはならない」と述べた。