世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルス感染症をめぐり29日から開いた緊急委員会の提言を公表した。加盟国に対し、新型コロナ対応に「悪影響を及ぼす」として「政治問題化や(感染防止策の)自己満足」を戒め、科学的知見に基づいた行動を求めた。
名指しはしていないものの、専門家の意見を軽視して感染防止策に積極的ではなく、自らも感染したトランプ米大統領やブラジルのボルソナロ大統領らの姿勢に不快感を示した形。WHOは今回の提言を受け、緊急事態宣言をさらに継続することを決めた。
欧州などでは最近の感染拡大を受け、外出制限措置などを再び導入する国も出ている。緊急委は提言で、国際的な往来を制限するような措置は、危険性や根拠に基づき対象や期間を限定的にするなど、慎重に検討した上で実施するよう求めた。(共同)