《独自》外資の土地買収 情報集約 法整備へ 首相主導で閣僚会議

菅義偉首相(三尾郁恵撮影)
菅義偉首相(三尾郁恵撮影)

 外国資本による安全保障上重要な土地の買収に関し、政府が首相をトップとする関係閣僚会議を新たに設置する方向で検討していることが31日、分かった。重要な土地の所有者を一元的に把握できる態勢の構築を目指す。複数の政府関係者が明らかにした。

 政府は法整備に向けた有識者会議を近く設置し、年内に方向性について提言をまとめ、来年の通常国会での法案提出を目指す。成立後、閣僚会議設置を含む基本方針を閣議決定する。

 土地利用の実態を把握する手段は、不動産登記簿▽土地売買届出▽固定資産課税台帳▽外為法に基づく取引報告▽森林調査簿▽農地基本台帳-などがある。だが、不動産登記簿は法務省、土地売買届出は国土交通省、森林調査簿は林野庁など現在は所管官庁が個別に管理しており、一元的に把握できる仕組みがない。

 登記簿は更新が任意で、実態を必ずしも反映しておらず、森林と農地については地方自治体への事後届け出が義務化されたものの、調査は自治体に委ねられる。自治体が管理する住民票は国籍記入が必要だが、登記簿や森林調査簿にはひもづいていない。

 現在検討されている法整備では、首相や関係閣僚で構成する会議体を新たに設置。土地所有者の氏名や国籍、不動産の所在、利用実態などを調査できる権限を付与し、外資による買収が問題化している防衛施設の周辺地や国境離島について、各省庁や自治体が行う調査を集約する。

 一方、一部の重要な国境離島や指揮中枢機能を持つ防衛施設周辺については区域を指定し、土地購入者に国籍などを事前に国に届け出ることを義務付ける。調査結果次第では閣僚会議で法規制の強化を検討する。

 外資による土地買収では長崎・対馬で自衛隊基地の近接地を韓国資本が買収。北海道では中国資本が水源地を含む山林を大規模に買収していることが分かっている。