がんばる姉 まぶしく見つめる 「家族の作文コンクール」大賞に杉村陽香さん 雲雀丘学園創立70周年事業

【特選】今なら分かる 雲雀丘学園高等学校1年生 森定美羽(みう)

 「親孝行て何やねん、俺、分からへん。」

 この前の塾の模試に、そんな文があった。傍線部で、「このときの主人公の心情を60字以内で答えよ」と記されていた。

 ええー と思った。

 今まで何度も「親孝行」の言葉は見てきたし、その漠然とした響きに首を捻ってきた。良い成績をとる、何かで活躍する、お手伝いをする。これが親孝行なのか。もしそうなら、反抗や挫折、両親に迷惑をかけることは、親不孝なのか。

 小学生の頃、それを考えて怖かった。普段言えないけど、両親には本当に感謝している。

 だから迷惑はかけたくないし、悲しませたくない。でも、必ず失敗はする。間違えてしまう。

 それら全部が親不孝になるのなら、え、私、どうなっちゃうの?

 そんなときの夕食時に、母に

「親孝行って何やろうね」

と尋ねたことがある。

 母は素麺つゆを開けながら、

「健康に生きて、親より先に死なない」

と言った。そして、素麺をつゆに浸した。

 テストが、お手伝いが、とか言われると思っていた私はぽかんとして、よく分からないなと思いながら、でも何かに強く感動して、何故かとても安心した。

 何かに迷ったときはいつも、あの夜の素麺と蝉時雨、そして母の横顔を思い出す。

 今の私は高校生で、このよく分からん問題と格闘している。でも、これだけは分かる。

 この主人公の心情も、私の両親への感謝も、絶対、60字では表せないよ。

【特選】今の僕は反抗期みたいだ 大阪・明星中学校2年生 川北真詩(まこと)

 僕は今、反抗期の真っただ中である。親に対するいら立ちしかない。今日も親に宿題をやれと言われても僕が文句ばかり言ってしようともしないので玄関にほおりだされて、仕方なくそこで書いている。

 玄関にほおりだされても、まだ、文句を言い続けていた時に、ふと玄関の靴箱の上を見ると僕が7才の時に新聞に掲載された詩がきれいに額に入れて飾られているのに気がついた。僕がかいたのはこんな詩だ。

  お母さんのゆめ

お母さんのゆめは何?

ってきいたら

「もう、かなったよ」

どんな、ゆめかなったって?

ってきいたら

「かわいい子どもが生まれますように」

それぼくのことや

うれしくてわらったら

お母さんもニコニコ笑ってたよ

 7才の頃の僕は、毎日が楽しくて、どこへ行くのも、お母さんと一緒で、この会話をした時も、お母さんと二人で遊びにいくためにバスに乗っていた。当時の僕は、感謝という言葉を知らなかったけど、僕を大事に思ってくれるお母さんの気持ちがうれしかったんだと思う。

 今の僕は、確かに反抗期みたいだ。自分が悪いと思っていてもなかなか素直に謝ったり、「ありがとう」と言えない自分のことを情けないと思うこともある。

 昔書いた詩を見て、もう一度、昔の素直な自分に戻れたらいいなぁと思う。保健体育の教科書で調べると「反抗期」というのは中3ごろまで続くそうだ。お父さん、お母さんに迷惑をかけているけれど僕も毎日いらいらして、しょっちゅう心の中で火山が噴火する。

 だから、早くこの時期が過ぎて昔のような気持ちになれたらいいなと思っている。

 それまでお父さんお母さんが待ってくれるかどうかは、分からないけれど。

【特選】おとうさんの力 雲雀丘学園小学校2年生 畠中結子(ゆこ)

 私は、いつもおとうさんといっしょにねています。なぜかというと、よるねるときは、くらくてしずかなので、一人だとこわくなってしまうからです。

 ともだちがおうちにきたときに、みんなでいっしょの本をよんでいたとき、こわい話がのっていて、そのときはたのしく見ていたのに、よるになるとこわくてねむれなくなってしまいました。なので、おとうさんにぎゅーしました。そしたら、なぜかあんしんして、その日はよくねむれました。おとうさんには、私をほっこりさせる力があると思いました。

 私とおとうさんには、ねるときにつかうあいことばのようなものがあります。それは、「できるだけ」ということばです。そのことばは、おとうさんがおしごとなどの理由で、いっしょにねられなくなったときに、できるだけ早くしてねといういみでつかいます。どうやって言うかというと、私から一文字づつこうごに言います。でもさいごの「け」は、同時に言います。そのことばをつかうと、つかわないときより早くベッドにきてくれます。

 このようにおとうさんは、私がこわいことを考えずにねむれるようにしてくれています。この作文でおとうさんに気もちをつたえられたらいいなと思っています。おとうさん、これからもいっしょにねてほしいな。いつも、たくさんのやさしさをありがとう。

入選者

【大賞】杉村陽香(兵庫・小林聖心女子学院高)【産経新聞社賞】田中一慶(岐阜市)【雲雀丘学園賞】宮路尊羽(兵庫・雲雀丘学園高)【特選】森定美羽(兵庫・雲雀丘学園高)、川北真詩(大阪・明星中学校)、畠中結子(兵庫・雲雀丘学園小)【一般の部・入選】為近佐智子(兵庫)、相川京子(大阪)、坂井和代(石川)、坊垣香理(岐阜)、原理恵(群馬)、松本ひろ子(大阪)、小松崎有美(埼玉)、木内美由紀(兵庫)、宗近忠(神奈川)、鈴木伸嘉(埼玉)【小中高生の部・入選】吉田愛央(愛媛・新田高)、南慎吾(兵庫・雲雀丘学園高)、金杉日菜(ワシントン日本語学校)、井元斐女(奈良県五條市立五條東中)、飯塚梨良(大阪・関西大学第一中)、原隆太(群馬県立中央中等教育学校)、佐々木優真(愛知県長久手市立南中)、大恵貴子(兵庫県西宮市立南甲子園小)、大恵朱実(同)、南綾音(兵庫・雲雀丘学園小)

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