ビブリオエッセー月間賞

9月は『人間の大地』 北海道恵庭市の佐々木晋さん

【ビブリオエッセー月間賞】9月の月間賞は「人間の大地」/北海道恵庭市の佐々木晋さん(59)
【ビブリオエッセー月間賞】9月の月間賞は「人間の大地」/北海道恵庭市の佐々木晋さん(59)
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本にまつわるエッセーを募集し、夕刊1面とWEBサイト「産経ニュース」などで掲載している「ビブリオエッセー」。皆さんのとっておきの1冊について、思い出などとともにつづっていただき、本の魅力や読書の喜びをお伝えしています。9月の月間賞は、北海道恵庭市の佐々木晋さん(59)の『人間の大地』に決まりました。プロの書店員と書評家による選考会の様子をご紹介します。(選者=ジュンク堂書店難波店店長の福嶋聡さん、書評家で京都芸術大学専任講師の江南亜美子さん)

■「本を通じて良い体験に」(福嶋さん)、「人生に決定的な役割担った」(江南さん)

--全体の印象はいかがでしたか

江南 アベレージが高くなりましたね。スタートから1年半がたち、皆さん上手になられて、選考も難しいなと感じます。

福嶋 そうですね。紙面に掲載されること自体、一定のレベルに達している証しといっていい。一方で破天荒なものがなくなって少し寂しい気も…。

江南 今回は絵本や児童書が比較的多かった印象で、改めて絵本について書くのはおもしろいなと思いました。難しいですからね。その中でも『ビロードのうさぎ』はかわいらしくてよかったです。絵本は中身の話だけをしてもうまくいきません。あらすじだけでは説明できない、手触りや読みごこちといったものがある。個人的なエピソードは王道的ですが、その点も含めてこのエッセーはいい出来でした。あと『いいからいいから』も読んでみたいなと思いました。

福嶋 長谷川義史さんの絵の雰囲気が伝わってくるエッセーでしたね。確かに今みたいに気がめいることが多いときには、長谷川さんの絵はいいかもしれません。「プリズンホテル」は読んで笑ってしまいました。入院で1週間も絶食。これはキツイですよ。プリズン(監獄)にいるようなものなのにテレビを付けるとグルメ番組ばかりというユーモアが楽しかった。『これは水です』はよくわからなかったのですが…。