【エンタメよもやま話】下がらなかった携帯料金、官邸と大手の攻防に迫った1冊(3/4ページ) - 産経ニュース

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下がらなかった携帯料金、官邸と大手の攻防に迫った1冊

 詳しくはお読みいただけばと思うのですが、料金プランの説明を受けても、さっぱり分からないのが携帯電話。料金が下がったと説明されても、いまひとつ良く分からないし、販売ショップに説明を聞きに行くことすらめんどくさいという記者のような人は少なくないはずです。

 最も大切な料金プランでさえこのざまなのですから、官邸と携帯大手3社との攻防がさらに分かりにくいのは当たり前。しかし、その攻防を時系列に沿ってリアルに振り返ろうと試行錯誤している本書を読めば、その分かりにくさの根源がどこにあるのかがおぼろげに浮かび上がってきます。

 その辺りは最後の「第7章 解けなかった呪縛」で説明されています。

 <まず「三社体制」という呪縛を打破しない限り、規制を強化すればするほど、競争が停滞してしまうという課題が見えている>のがこの業界の最大の問題で、本書は<…課題はむしろ、端末価格を抑えたことで生まれる余剰資金を、携帯料金の引き下げにつなげる競争政策上の仕組みがない点にある>と指摘。余剰資金が、今後、市場の拡大が見込めるうえ、顧客の囲い込みに効果を発揮する「スマホ決済」のような分野に流れていることなどに懸念を示します。

 とはいえ、結局のところ、最大の問題は、日本の通信産業の成り立ちにあるようです。記者は、本書のこの指摘が全てを物語っていると思いました。

 <日本の通信産業は、明治時代に官営でスタートした。一九八五年の通信自由化で、民間事業者による競争原理を導入し、飛躍的な発展を遂げたという歴史がある…新規参入事業者の競争を促進するために、今日まで数多くの競争ルールが整備されてきた。規制緩和が進んだ現在でも、他の産業と比べて官の力が大きく働く業界だ>