【エンタメよもやま話】下がらなかった携帯料金、官邸と大手の攻防に迫った1冊(2/4ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

エンタメよもやま話

下がらなかった携帯料金、官邸と大手の攻防に迫った1冊

 本書はまず、新型コロナウイルスの感染拡大で多くの産業が業績を悪化させるなか、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社は、販売面で大きな打撃を受けました。しかし、同書では<既に保有する数千万の顧客から毎月得られる月額収入で支えられている>ことから、好業績を維持しているといった特殊な産業であると指摘。いまや契約数が1億8000万を超え、国民1人1台の時代を迎え、携帯料金の高さへの批判は後を絶ちません。

 大手シンクタンクの調査では、回答した消費者の約6割が携帯料金を「高い」と感じ、約3割が「納得していない」と回答。菅首相が執念を燃やす携帯料金の大幅値下げは待ったなしの状況にあることなどに触れ、携帯電話市場の課題などを浮き彫りにしていきます。

 そして、インターネット通販大手の楽天が携帯事業への参入を表明した平成29年12月から、菅首相が誕生した今年9月までの約1000日に及ぶ攻防を、「序章 不発に終わった『四割値下げ』」「第1章 『常識外れ』な挑戦者」「第3章『完全分離』官邸・総務省の覚悟」「第6章 出遅れた日本の5G 逆境の船出」-など、序章と全7章で丁寧に振り返ります。

 読み進めていくと、楽天や格安スマホ各社(MVNO=仮想移動体通信事業者)といった、さまざまなチャレンジャーが大手3社に挑むも、あえなく敗退したり、「0円端末」や「他社からの乗り換え時のキャッシュバック」といった行き過ぎた端末価格の割引合戦で札束が乱れ飛び、ゆがんでしまった市場の是正に総務省が10年以上、費やしたりといった出来事に言及。iPhone(アイフォーン)を扱う米アップルと携帯電話大手との間で結ばれた「不平等条約」の問題、昨年10月の電気通信事業法改正により、通信料金と端末代金の分離義務付けや2年縛り契約の解約金引き下げなどを実施した結果、端末の販売台数が減り、携帯ショップの経営が悪化。さらに新型コロナの影響で来店者が6割減となるといった、今後の携帯電話業界の動向を占うトピックまで、さまざまな課題や問題点がぎっしり詰め込まれています。