リニア中央新幹線工事を巡り、静岡県内の住民らが30日、JR東海に対し県内区間(10・7キロ)の工事差し止めを求め、静岡地裁に提訴した。
訴訟の原告団は18日に結成され、工事が大井川や南アルプスの自然に影響を及ぼす恐れがあると主張。原告団には県内の茶農家や自治体議員ら約100人が参加し、資金支援をするサポーターも100人以上が集まっているという。
住民らは工事による大井川の流量減少を懸念。静岡県もJR東海との対立を深めており、10・7キロのうち静岡工区と呼ばれる8・9キロが着工できていない。
リニア工事を巡っては今回の訴訟と別に、沿線住民らが平成28年5月、事業認可の取り消しを国に求め東京地裁に提訴。昨年5月には山梨県南アルプス市の沿線住民らが、JR東海に工事の差し止めなどを求め甲府地裁に提訴している。