菅首相、就任後初の代表質問 学術会議「多様性確保で判断」

衆院本会議で立憲民主党・枝野代表の代表質問に答弁する菅義偉首相=28日午後、国会(春名中撮影)
衆院本会議で立憲民主党・枝野代表の代表質問に答弁する菅義偉首相=28日午後、国会(春名中撮影)

 菅義偉(すが・よしひで)首相の所信表明演説に対する各党代表質問が28日午後、衆院本会議で行われた。首相は日本学術会議の新会員候補6人の任命を見送った問題について「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りがみられることも踏まえて、多様性が確保されることを念頭に、任命権者として判断を行った」と述べた。

 9月に菅内閣が発足してから初の国会論戦。最初に質問に立った立憲民主党の枝野幸男代表は、学術会議が推薦した会員を首相が任命しなかったのは違法だと批判した。

 これに対し、首相は、憲法は公務員の選定は国民固有の権利と規定しているとしたうえで「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないという点は、内閣法制局の了解を得た政府の一貫した考えだ」と強調した。

 答弁中、野党側のヤジが相次ぎ、首相が「ちょっと静かにしてもらえますか」と話し、大島理森議長が「ご静粛に」と何度も呼びかける場面があった。

 新型コロナウイルス感染症対策をめぐっては、首相は、経営が厳しくなっている医療機関の支援について「国民に必要な地域医療が確保できるよう、支援を検討していく」と述べた。

 また、首相は不妊治療について、早急な保険適用に向けた検討を進めるとともに、保険適用まで現在の助成措置を大幅に拡大していく考えを改めて示した。

 29日は衆参両院で、30日は参院で代表質問を実施する。

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