5人目女性「寝たら殺して」 被告、直前は承諾なし 座間9人殺害公判

白石隆浩被告(ツイッターから)
白石隆浩被告(ツイッターから)

 神奈川県座間市のアパートで平成29年、男女9人が殺害された事件で、強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職、白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の第12回公判が27日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた。白石被告は5番目に被害に遭った埼玉県春日部市の無職女性=当時(26)=に関する被告人質問で、女性が「私が寝たら殺してください」と発言した可能性があるとする一方、犯行直前に殺害の承諾はなかったと主張した。

 弁護側は29年11月の白石被告の供述調書を引用し、女性から「私が寝たら殺してください」と言われ、被告が「分かりました」と答えていたと指摘した。これに対し、被告はやりとりをした可能性があると認めた上で、アパートに向かう道中での会話だったと説明。ただ、犯行直前には殺害の承諾に関する話はしておらず、意識がある状態の女性を襲ったと強調した。

 殺害を決意した理由については、女性が電話などでアパートを繰り返し出入りしていたことを挙げ、「放っておいたら帰りそうだなと思い、部屋に戻ったところでいきなり襲いかかった」と述べた。

 また、SNS(会員制交流サイト)の2つのアカウントから女性に同時期にメッセージを送っていたことも取り上げられた。被告は「(一緒に自殺したいという)キャラクター設定が女性と相性が良くないと思った」とし、自殺幇助(ほうじょ)や承諾殺人を請け負うとする「首吊り士」のアカウントからも接触したと説明した。

 被告は法廷での女性の呼び方を何度も言い間違えて検察官に注意されるなど、集中力を欠いた様子も見られた。検察官が遺族側から強く要望された質問として、「女性が(子供のいる)母親と分かったときにどう感じた」「母親だから、(無事に)帰してあげようという選択肢はなかったのか」と尋ねたが、被告は「別に何も感じなかった。(選択肢は)なかった」と淡々と答えた。

 この日の被告人質問では、具体的な犯行態様や女性との部屋での会話などについて聞かれても、「正直覚えていない」と明言を避ける場面が目立った。公判での証言が逮捕直後の供述調書と矛盾すると指摘されても、「捜査段階で供述していることの方が、記憶が新鮮なので正しいと思う」と繰り返した。

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