衝撃事件の核心

インパクト強め体験談で効能謳うネット広告の舞台裏露呈

府警によると、逮捕された6人には違法な広告だったという認識があり、「法律の範囲の表現ではインパクトが弱く、商品が売れない」とも供述した。広告代理店は無名業者ではなく、S社は東証1部に上場。にもかかわらず、他の広告でも同じ手口を使うことがあったといい、ある捜査員は「ネット広告の闇は深い」と驚きを隠さない。

業界改善につながるか

一方、ネット広告は今や社会にとって不可欠な存在だ。中小事業者も少ないコストで宣伝を打てるメリットがあり、電通によると、昨年は初めてテレビ広告を上回り、広告費が2兆円に到達。ただ、同時に悪質な広告も増え、ルールを守る事業者が割を食っているという危機感が業界内でも広がっている。

大手ポータルサイト「ヤフージャパン」は昨年度、約2億3千万件の広告を審査基準に抵触するとして非承認とした。それでも対応は追いつかず、業界団体もまだ対策を模索する段階だ。さらには、個人が「アフィリエイター」としてブログなどで商品を宣伝し、成功報酬を受け取る「アフィリエイト広告」も広まっており、誇大広告などのトラブルが増えている。

今回の事件は、こうしたネット広告の課題に一石を投じる可能性もある。広告業界に詳しい斎藤健一郎弁護士は「違法な広告を出せば、広告主も広告代理店も全て摘発対象となると示された。それはアフィリエイトでも同じだ」と指摘。

広告主に違法広告の是正を求める行政指導をすれば、その後は広告主にも制作側にも摘発リスクが生まれるとして、「行政指導の実効性はこれまでよりも高まる。広告主もリスク管理として、従業員教育などに力を入れることが重要になる」と話している。(西山瑞穂)


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