石破派、後任会長は決めず 事実上議員グループに 

自身が率いる派閥の会合を終えた自民党・石破茂元幹事長=22日午後、国会内(春名中撮影)
自身が率いる派閥の会合を終えた自民党・石破茂元幹事長=22日午後、国会内(春名中撮影)

 自民党石破派(水月会、19人)は26日、石破茂元幹事長の会長辞任に伴う次期会長の選考を断念する方針を固めた。会長職は空席のまま、石破派は派閥ではなく事実上、有志による議員グループとなる。複数の石破派幹部が明らかにした。

 石破氏は辞意を表明した22日の派閥総会で鴨下一郎元環境相を後継指名したが、鴨下氏は固辞。石破氏は石破派存続を求め、鴨下氏を中心に後任の選考を任せていた。

 ただ、鴨下氏は「石破派は石破氏を首相にするために作った派閥だ。派閥を維持するためだけに後任の会長を決めるのはおかしい」とし、新会長は選任しない方向だ。派内に石破氏に代わる首相候補はおらず、別の派閥幹部も「(石破氏の)後任を置けるわけがない」と語る。

 派閥所属議員は議員グループとしての「石破派」に在籍することは可能。鴨下氏らは要望があれば他派閥への移籍などに協力するという。

 石破氏は26日、記者団に「鴨下氏が『もうボールはわれわれの側にある』と言ったので、私があれこれ言うことではない」と鴨下氏らの意向を尊重する考えを示していた。

 石破派は、党内の既存派閥が結党前後に発足した派閥に源流を持つ中、「ベンチャー企業のような集団」(石破氏)として、平成27年9月に20人で発足。30年と今年9月の党総裁選に出馬した石破氏を支えた。

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