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中国でトラックの販売好調が続いている。新型コロナウイルス感染拡大後の景気対策により、中国各地でインフラ投資が活発になって輸送需要が増していることを背景に、9月の販売台数は前年同月比で4割増となった。世界各国に先駆けて回復が進む中国の自動車市場を引っ張っており、一部の日系メーカーへの追い風にもなっている。
「商用車が市場成長の新たなエンジンになっている」
中国誌・財経(電子版)はこう強調する。中国自動車工業協会が発表した9月の新車販売台数は、前年同月比12・8%増で6カ月連続で前年実績を上回った。その内訳で特に目立ったのが40・3%増の商用車だ。商用車の9割を占めるトラックの好調が牽引(けんいん)しており、6カ月連続で2桁台のプラスを記録している。
国営新華社通信は、新型コロナ後に各地で新たなインフラ建設プロジェクトが続々と着工していることや、電子商取引(EC)産業の拡大でトラック輸送の需要が増していることが好調の要因だと指摘する。
「コロナ後、トラックの販売は好調だ。去年よりも業績は良い」
北京市郊外の房山区にある中国ブランドのトラック販売店を訪れると男性店員がこう笑顔を見せた。コロナ禍で仕事が無くなり、自ら小型トラックを購入して運送業を営む人が増えたことも販売拡大につながっているという。
日系メーカーでは日産自動車が小型商用車を製品ラインアップに抱えており、9月の同事業の中国販売は12・8%増だった。日産と中国の現地企業による合弁会社「東風汽車有限公司」の山崎庄平総裁(日産専務執行役員)は「冷凍車や宅配便(向け)などの需要は底堅い」と手応えを語っている。(北京 三塚聖平、写真も)