【シネマプレビュー】記録づくしの鬼ダッシュ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」ほか2本(1/2ページ) - 産経ニュース

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記録づくしの鬼ダッシュ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」ほか2本

【シネマプレビュー】記録づくしの鬼ダッシュ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」ほか2本
【シネマプレビュー】記録づくしの鬼ダッシュ「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」ほか2本
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 公開中~公開間近の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。

★★★★★ 傑作

★★★★  見応え十分

★★★   楽しめる

★★    惜しい

★     がっかり

(☆は★の半分)

■「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」

★★★☆

 もはや説明不要か。テレビアニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の初の劇場用作品。16日から上映が始まり、コロナ禍の中で記録的な興行成績をあげ話題だ。

 映画の興行収入は、10億円が破るべき最初の天井だというが、このアニメはなんと最初の3日間(16~18日)だけで46億円を突破したのだ。53億円で今年最高の「今日から俺は!! 劇場版」の背中に早くも肉薄した。

 初日午前の映画館の客席には中高年の姿もあり、幅広い年齢層に支えられている印象だった。SNSへの投稿などを見ると熱心なファンが、さっそくリピートし始めている。基礎票の底堅さは昨年大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」を連想させる。上映館数は403と空前の規模。浮動票の取り込みに成功すれば、さらに記録的な成績も見込めそうだ。

善への姿勢、揺るがず

 しかし、何が魅力なのか。漫画が原作。その発行部数は、累計1億部(電子版を含む)を超えた。物語の主人公は、大正時代に家族を鬼に殺された少年、炭治郎(たんじろう)。生き残ったが鬼になった妹を人間に戻すべく、炭治郎は鬼を討伐する組織の一員となる。

 映画は、その炭治郎が仲間とともに不審な列車に、調査のため乗り込むところから始まる。車内で隊最強クラスの剣士の一人、煉獄(れんごく)と出会う。そして、鬼の存在を突き止める。

 奇抜な物語だ。流血など陰惨な表現も少なくない。だが、家族愛という主題が、比較的大音量の通奏低音として流れている。だから普遍性はある。そのうえで、何があろうと善であろうとする炭治郎たちの揺るがない姿が魅力的だ。

 加えてこの映画では、自らの責任をまっとうすることに躊躇(ちゅうちょ)ない煉獄が、後半に至って圧倒的な存在感を放つ。理想の大人像、上司像か。「前を向こう」という煉獄の思いは、コロナ禍にある多くの人の顔を上げさせる。

 東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田など全国で公開中。1時間57分。(健)