熊本県の蒲島郁夫知事が、7月の豪雨で氾濫した球磨川支流での川辺川ダム建設の是非について、国などと治水対策を検討する協議会で年内に考えを表明することが、県への取材で分かった。流域12市町村の首長は、ダム建設計画を柱とした治水対策の検討を求めており、蒲島氏の判断が注目されている。
蒲島氏は21日の記者会見で、協議会の初会合を今月27日に開くと発表。平成20年に建設反対を表明し、ダムによらない治水を検討してきたが「経費や期間の面で、遠いという印象を持っている」と述べた。20年当時、ダム建設を求める住民らの声は少なかったとし「当時と比べると、ずいぶん建設を求める声は多い」とも述べた。
県によると、協議会は県や国、流域市町村長で構成し、球磨川流域全体で総合的に水害に備える「流域治水」対策を決める。川辺川ダム建設も検討課題とする。
川辺川ダム建設計画は、蒲島氏の反対表明などを受け、民主党政権下で中止が決定。蒲島氏は豪雨災害後に「川辺川ダムは選択肢の一つ」との考えを示している。