BRT転換の日田彦山線 沿線振興策年度内に 福岡知事「人の流れ もっと大きく」 協議会初会合

JR日田彦山線沿線の地域振興を検討する協議会の初会合
JR日田彦山線沿線の地域振興を検討する協議会の初会合

 平成29年7月の九州北部豪雨で被災し、不通となった区間がバス高速輸送システム(BRT)に転換するJR日田彦山線沿線の福岡県側の地域振興を検討する協議会の初会合が22日、福岡市内で開かれた。協議会は、福岡県と沿線の同県東峰村、添田町の各首長らで構成。令和2年度内に具体的な振興策を策定し、3年度から事業を実施していくことが確認された。(小沢慶太)

 日田彦山線は豪雨災害によって添田(添田町)-夜明(大分県日田市)の29・2キロが不通となった。復旧をめぐっては、沿線自治体は鉄道の維持を求めたが、多額の復旧費用と鉄道として復旧した場合の採算性が課題となり、JR九州はBRTへの転換を提案。特に東峰村は鉄道復旧を強く要望し、協議は難航。復旧方針の決定までには被災から3年以上を要した。

 復旧方針では、彦山(添田町)-宝珠山(東峰村)の14・1キロでBRT専用道を整備してバスが運行、それ以外の区間は一般道を通る。復旧事業費は約26億円で、工事期間は3年程度を見込む。JR九州は8月末から専用道整備に向けた測量などを始めた。

 一方、県は県議会の決議を踏まえて10億円の基金を新設するなど、沿線地域の振興に尽力する姿勢を示している。

 協議会の座長には小川洋知事が就任した。小川氏は「東峰村、添田町、県が連携して着実に地域振興を推進し、人の流れをもっと大きくしていかなければならない」と述べた。

 協議会での議論は、超党派の県議でつくる「九州の自立を考える会」(会長=蔵内勇夫県議)と東峰村、添田町で策定した「日田彦山線沿線地域振興基本構想」をベースに進められる。

 基本構想では、東峰村については棚田の保全など沿線の景観づくりや豪雨災害の記憶を伝える「災害伝承館」(仮称)の設置などを掲げる。添田町では、添田、彦山両駅の再整備などを盛り込んだ。

 東峰村の渋谷博昭村長は会合で、村内の皿山地区から竹地区を結ぶ新たな観光ルートの整備構想を示し「地域の振興、発展の切り札として(協力を)お願いしたい」と要望した。添田町の寺西明男町長は「BRTの運行開始まで時間が限られている。スピード感をもって取り組んでいきたい」と語った。

 会合ではJR九州が協議会の構成員に含まれていないことを疑問視する意見が上がった。駅舎の再整備など振興策にはJR九州の関与が不可欠な事業も含まれているためだ。来賓として会合に招かれた県議からは「JR九州と連携をとらなければ、振興策の実現は半分くらいになってしまうのではないか」(緑友会・井上忠敏氏)「オブザーバーとしてでも入れるべきではないか」(公明党・森下博司氏)などの指摘が相次いだ。

 これに対し小川氏は「どう対応するか、持ち帰って検討したい」と応じた。