クマ出没もう1万件超「今年は圧倒的」ドングリ凶作背景か

クマ出没もう1万件超「今年は圧倒的」ドングリ凶作背景か
クマ出没もう1万件超「今年は圧倒的」ドングリ凶作背景か
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 クマの出没が相次いでいる。山間部だけでなく市街地での目撃もあり、石川県では商業施設にクマが侵入、射殺されるまで施設は臨時休業となった。エサであるドングリの凶作が要因とみられ、全国での出没確認はすでに1万件超。人の死傷事故も起きており、専門家は注意を呼びかけている。

10年ぶり「出没警戒情報」

 「今年は圧倒的に多い」

 クマの情報を集める自治体担当者は口をそろえる。環境省によると、4~8月の全国のクマの目撃情報は速報値で1万1112件。過去と比較しても、多いペースで推移する。

 10月19日朝、石川県加賀市の商業施設「アビオシティ加賀」にツキノワグマ1頭が侵入したと110番があった。体長約1・3メートルの雄の成獣。約13時間後、施設内で地元の猟友会が射殺した。けが人はなかった。

 加賀市の担当者は「(クマの出没は)これまでは山間部や民家が多く、商業施設への侵入は記憶にない」。石川県内の4~10月のクマの出没数は400件。9月だけで100件に上るなどしたことから、県は10年ぶりに「出没警戒情報」を発令した。10月22日にも、金沢市の路上で、新聞配達のアルバイト男性(77)がクマに襲われ左手をかまれた。

冬眠に備えた行動?

 日本国内にはヒグマとツキノワグマの2種類が生息する。本州や四国に生息するツキノワグマは食物の9割以上が植物。特に秋は12月ごろからの冬眠に備え、ドングリなどの木の実を食べて栄養を蓄える。

 クマが人里へと行動範囲を広げている地域では、ドングリ類が凶作傾向にあるとされる。

 新潟県新発田(しばた)市の県指定文化財「市島邸」。10月18日、敷地内にクマが出没し、男性客が服を破られた。新潟県では今秋、ドングリ類の多くが凶作や不作に。市島邸の庭園の木に実る栗や柿が目当てだったとみられる。新発田市は実を木から落とすなどの対策を取り、安全確保ができるまでの休館を決めた。

国も連絡会議開催へ

 関西でも注意が必要だ。京都市の山間部や京丹後市、南丹市などで目撃がある京都府でも、ドングリ類が軒並み凶作。同じく凶作だった昨年は、クマの目撃数が前年比で約1・4倍となっており、府は警戒を呼び掛けている。

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