大阪都構想ファクトチェック

「隣接市は住民投票なしで特別区に」はミスリード

 一方、実際の移行には複数の手続きが求められる。同法第13条では、隣接する市町村の場合でも、府と該当自治体でつくる法定協議会の設置や協定書(設計図)の作成、府議会と地元議会での承認などは必要と規定。住民投票を要しないとはいえ、住民意思が反映される2つの議会で承認を得るまでの道のりは容易ではなく、ハードルは高いといえる。

 また、市町村を2つ以上の特別区に再編して参入する場合は、その市町村の中で大阪市と同様の住民投票を行う必要がある。無条件で住民投票が不要になるというわけではない。

 こうした話題は前回(平成27年5月)の大阪市民対象の住民投票でも浮上した。背景にあるのはかつて大阪維新の会が掲げた、堺市など大阪市の周辺市も含めて自治体を再編する、さらに広域的な都構想の考えだ。維新代表の松井一郎大阪市長は今月15日の会見で「まずは大阪市域で特別区ができた後、(周辺市で)議論をスタートしてもらいたい」と述べており、大阪市民以外の関心も高いテーマといえる。

 堺市では昨年、「反維新」の立場だった前市長に替わって維新公認の永藤英機氏が市長に就任。永藤氏は公約で現在の任期中は都構想の議論はしないとしているが、7日の会見では仮定の話として、「法律では(1つの特別区として入る場合は)住民投票は必要ないが、堺市が特別区に入るかどうかの判断をする際には独自の条例を作って住民投票を行い、堺市民の思いを問いたい」と述べている。

(杉侑里香、小川恵理子)