ネットいじめも過去最多 閉鎖的なSNS、認知難しく 文科省調査 - 産経ニュース

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ネットいじめも過去最多 閉鎖的なSNS、認知難しく 文科省調査

 文部科学省が22日に公表した令和元年度の問題行動・不登校調査では、携帯電話などでの誹謗(ひぼう)・中傷といった「ネットいじめ」も過去最多の1万7924件に上った。平成26年度(7898件)の2倍以上の水準に達したが、SNS(会員制交流サイト)の閉鎖性が認知のハードルとなっており、その全容はうかがい知れない。子供たちに自ら問題意識を根付かせなければ、根本的な解決が難しい状況でもある。

 「君たちは、本当にそれでいいのか?」。岐阜県笠松町立笠松中で今年7月、急遽(きゅうきょ)開かれた1年生の学年集会で、学年主任の教諭が生徒たちに呼びかけた。

 同中学では、同じ小学校の出身者がLINE(ライン)のグループチャットを作っていたが、人数が増えすぎると遊びの予定を立てづらくなるという理由から6月に全員でいったんチャットを退室。その後、一部の生徒が、仲の良くない生徒には内緒のまま別のグループチャットを立ち上げていた。「誰を外し、誰を誘うか-」。彼らは、そんな「選別」を行っていた。

 この動きに気づいた学校側はいじめにつながると捉え、集会を開いた。生徒指導担当の久保田日香里教諭(31)は「関わった生徒だけでなく、全員に当事者意識を持ってほしかった。やってはいけないことだと、自ら気づく力を育んでほしい」と振り返る。

 今回の調査によると、ネットいじめは、小学校5608件(前年度4606件)▽中学校8629件(同8128件)▽高校3437件(同3387件)▽特別支援学校250件(同213件)-と中学校での認知数の多さが目立つ。また、小学校では前年度から1千件超も増えた。

 内閣府の調査では、令和元年度の小中高校生のネット利用率は93%に達し、うち小学生の42%、中学生の75%、高校生の90%がネットをコミュニケーション手段として使っていた。全国ICTカウンセラー協会代表理事の安川雅史氏は「SNSなどでの会話は顔を向き合わせていないため、言葉が誤解されることも多い」と、トラブルに結びつきやすい事情を説明する。

 平成29年に起きた埼玉県立高2年の女子生徒=当時(16)=の自殺では、県教育委員会の第三者調査審議会が「(ツイッター上の)書き込みをきっかけに自殺を考える精神状態に至った」と報告。女子生徒が数人しか見られないようにしていた書き込みを、当時交際していた男子生徒の妹がツイッターに暴露し、「どんな顔して学校に来るのか楽しみ」「(女子生徒の)味方はいない」などと書き込んだことなどをいじめと認定している。

 ネットいじめは認知が難しいのが一つの特徴でもある。SNSが普及し、「ネット掲示板のようにネットパトロールでは捉えにくくなっている」(文科省)。笠松中のように、子供に自らの問題として向き合わせ、「自浄」の力を育てる教育は不可欠だ。

 チャット機能のあるオンラインゲーム上でのトラブルも相次いでいるといい、安川氏は「子供がスマホを利用する場所を保護者がいるリビングに限定するなど家庭でもルールを設けてもらいたい」と話している。