仏、教員殺害でイスラム団体34カ所捜索 「内なる敵と戦う」

18日、フランス・リールの追悼集会でメッセージを掲げる女性(ロイター=共同)
18日、フランス・リールの追悼集会でメッセージを掲げる女性(ロイター=共同)

 【パリ=三井美奈】イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を授業で使った教員がパリ郊外で殺害された事件を受け、フランスのダルマナン内相は19日、過激なイスラム主義団体などを対象に、34カ所の家宅捜索に入ったと発表した。パリ郊外のモスクや2団体を解散させる方針も示した。

 ダルマナン氏はラジオのインタビューで、「内なる敵と戦わねばならない」として、危険思想を広げる団体の取り締まりを強化する姿勢を示した。今後、50以上のイスラム教団体が捜査対象になると述べた。

 解散の対象とされたモスクは事件後、教員の生前、風刺画使用を批判する動画をフェイスブックに転載したとされる。2団体はイスラム教徒に対する差別反対運動や、人道支援を行ってきた民間組織。ダルマナン氏は解散要求の根拠を明示しないまま、「政治的イスラム主義が過激派と結びつけば、テロにつながる」と批判した。2団体の一つは解散命令を不当だとして、提訴する方針を示した。

 16日の事件では、中学教員がムハンマドの風刺画を「表現の自由」を教えるために生徒に見せた後、容疑者に刺殺された。風刺画は週刊紙シャルリー・エブドが掲載し、裸のムハンマドの尻に星をあしらった絵柄だった。反発した生徒の父がツイッターで教員を「悪党」と呼び、解雇を要求。その画像が拡散し、容疑者が殺意を抱く引き金になったとみられている。

 捜査当局は事件後、この父親など十数人を身柄拘束。教員への憎悪をあおったツイッターの発信元を広く捜査しているとみられる。