環境省は19日、海の生物や生態系の保全を強化するため、小笠原諸島(東京都)周辺の海底域を海洋保護区に指定する案を省内の審議会に諮問し、了承された。年内に正式決定する見込み。日本の海洋保護区は管轄海域の13・3%となり、「各国が2020年までに海域の10%を保護区にする」との国際目標を達成することになる。
指定されたのは、茨城県沖の日本海溝南部から小笠原諸島母島の東側の伊豆・小笠原海溝に及ぶ海域や、南硫黄島の南側の海域など計約22万6800平方キロ。保護区に当たる「沖合海底自然環境保全地域」となる。
海溝では深海に適応したエビや魚類が生息し、同省は「過酷な環境条件下で独自の進化を遂げた種が多くみられる」とする。海底火山の熱水噴出域にも独自の生態系が確認されている。