東京電力福島第1原発で汚染水浄化後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分に関し、政府が海洋放出を決定する方針を固めたことが16日までに分かった。月内にも関係閣僚による会議を開いて決定する。
福島第1原発の敷地内に保管されている処理水の処分方法をめぐっては今年2月、政府の有識者会議が、処理水を蒸発させる大気放出と、海洋放出を現実的な選択肢として提示。そのうえで放射線を監視しやすい海洋放出の方がより優位な方法だとの見方を示していた。
ただし海洋放出には風評被害を懸念する漁業関係者からの懸念が強い。梶山弘志経済産業相は9月のインタビューで処理水の保管スペースに限りがあることに触れ、「風評被害対策を継続的にやっていく前提で、政府が責任を持って決断していく」と述べていた。