「陶芸の世界変革へ試行錯誤」京都、伝統工芸継承へ思い強く

「CRAFTS NIGHT」に登壇した松林豊斎さん(左)と奈良祐希さん=京都市東山区
「CRAFTS NIGHT」に登壇した松林豊斎さん(左)と奈良祐希さん=京都市東山区

 昨年10月オープンした外資系高級ホテル「パークハイアット京都」(京都市東山区)で、同ホテルと、京都の伝統工芸6社の後継者で作るプロジェクト「GO ON (ゴオン)」が共催するイベント「CRAFTS NIGHT(クラフツ・ナイト)」が開催され、朝日焼十六世・松林豊斎氏と陶芸家で建築家の奈良祐希氏が登壇。奈良氏は、自身の創作活動への思いとともに、従来の枠にとらわれない伝統工芸の継承の必要性などを訴えた。

 「ゴオン」は京都の伝統工芸の活性化などを目的に、平成24年に設立。9日夜に開催された「クラフツ・ナイト」は今回で8回目で、約400年続く宇治の茶陶、朝日焼の十六世である松林氏をホストに、約350年の歴史を持つ金沢の大樋焼(おおひやき)11代目の大樋長左衛門の長男である奈良氏をゲストスピーカーに迎えた。

 奈良氏は、自作のコンセプトや内包するメッセージなどを説明。「世界中で多くの斬新な建築物が登場しているが、陶芸の世界は何も変わっておらず、それをどう変えるか試行錯誤している」などと述べ「陶芸と建築の違いは、制作主体が個か集団かの違いだが、僕自身は東京芸術大学時代、1人で開拓する力を磨けた」と話した。

 そのうえで、「建築と違って、陶芸家が3Dプリンターで作品を作るのはご法度だと思う。手で作ることの喜びを大切にするとともに、作品には多くの人々に興味を持ってもらえるような仕掛けが必要」と訴えた。今回の模様は初めてデジタル配信された。

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