池袋暴走母子死亡事故 初公判詳報

(4完)「今度来たら、イチゴを…」祖父の無念、法廷内にすすり泣く声

妻の真菜さんと長女の莉子ちゃんの写真を手に東京地裁に向かう松永拓也さん(前列左)ら=8日午前8時50分、東京・霞が関
妻の真菜さんと長女の莉子ちゃんの写真を手に東京地裁に向かう松永拓也さん(前列左)ら=8日午前8時50分、東京・霞が関

《東京・池袋で昨年4月、乗用車が暴走して通行人を次々とはね、母子が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(89)の初公判は、検察側の証拠説明が続いている》

《事故では松永真菜(まな)さん=当時(31)=と長女の莉子(りこ)ちゃん=同(3)が犠牲となった。検察側は、松永さんの父、上原義教さん(63)の供述調書を読み上げ始めた》

《莉子ちゃんは上原さんのことを「じーじ」と呼んでおり、年に2回ほど、真菜さんに連れられ、上原さんが住む那覇市を訪れていたという。上原さんは、莉子ちゃんとつないだ手のぬくもりを今でも覚えているという》

《法廷内では、すすり泣くような声が聞こえてくる》

《事故があった昨年4月19日の前日、上原さんは真菜さんと次に沖縄に来る予定について話をし、莉子ちゃんは「かき氷が食べたい」と言っていたという。上原さんはできるだけ体にいいものを食べさせてあげようと「イチゴをつぶして作ってあげようか」と考えていたという》

《そうした幸せな日々は事故で一変した》

《事故当日の昨年4月19日。上原さんの元に、動揺した真菜さんの夫の拓也さん(34)から2人の事故について連絡があったという。拓也さんから2回目の電話で「ダメだった」と告げられた。上原さんと拓也さんは警察署で対面した》

《上原さんは、真菜さんと莉子ちゃんに何度も「ごめん」とつぶやいた。触った手の冷たさに、涙が止まらなかったという》