「車に異常」池袋暴走、89歳被告が起訴内容を否認 地裁初公判

妻の真菜さんと長女の莉子ちゃんの写真を手に東京地裁に向かう松永拓也さん(前列左)ら=8日午前8時50分、東京・霞が関
妻の真菜さんと長女の莉子ちゃんの写真を手に東京地裁に向かう松永拓也さん(前列左)ら=8日午前8時50分、東京・霞が関

東京・池袋で昨年4月、乗用車が暴走し、母子2人が死亡、男女8人がけがをした事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院元院長、飯塚幸三被告(89)の初公判が8日、東京地裁(下津健司裁判長)で開かれた。飯塚被告は「心からおわび申し上げる」と謝罪した上で、「アクセルペダルを踏み続けたことはないと記憶しており、車になんらかの異常が起きたと思う」と起訴内容を否認した。

起訴状によると、飯塚被告は昨年4月19日、東京都豊島区東池袋の都道で、乗用車を時速約60キロで運転中、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み続け約96キロまで加速。交差点で自転車に乗った近所の松永真菜(まな)さん=当時(31)=と長女の莉子(りこ)ちゃん=同(3)=をはねて死亡させたほか、男女8人と同乗の妻に重軽傷を負わせたとしている。

事故では、飯塚被告も胸を骨折するなどして入院。退院後も出頭し聴取に応じていたことなどから、警視庁は任意のまま捜査。昨年11月、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて書類送検し、東京地検が今年2月に在宅起訴した。

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