台風の進路をめぐっては各国の気象機関が予測をしてしのぎを削っており、気象庁もこうした予測データを参考に予報をしている。ただ、台風14号に関しては各国の予測のぶれも大きく、予測の難しさを示している。
気象庁によると、世界の気象機関は時間差はあるものの、互いのデータを共有しており、そのデータをどんな性能のスーパーコンピューターで、どのように取り込み、どんな計算式で予測をはじき出すかで予測に違いが生まれる。なかでも日本、英国、米国、欧州の4つの国と地域の気象予測が優れているとされる。
欧州では天候が戦況に大きく影響した第一次世界大戦(1914~18年)を機に気象学が発達したといい、スパコンの性能とあわせて、「全般的に欧州の予測は成績がよい」(気象庁関係者)という。
ただ、別の気象庁関係者によると、台風の予測に関しては米国の台風予測が「発生を捉えるのは早いが、勢力が強く出過ぎる」傾向があるものの、あとは「似たり寄ったり」。各国の予測を平均した進路が当たるとみる向きもある。
台風14号の予測進路をみると、各国のスパコンがはじき出した予測進路は九州に上陸するとみるものから、本州に触れもしないとみるものまでさまざまだ。
気象庁が気象データの数値がぶれた場合にどれだけ予測進路が変わるかを検証したところ、同様に多様なルートが浮かび上がっており、気象庁は台風通過後に予報の精度を検証する。