料理と酒

山口県下関のトラフグの薄造り

 肌寒さを感じる頃になると、フグが食べたくなります。山口県ではフグと言わずに、「福」の字にかけてフクと呼びます。遠州灘で漁獲されたフグは下関の南風泊(はえどまり)市場で取引きされます。ここは日本で唯一のフグ専門の魚市場で、セリのやり方も独特。黒い布製の袋の中に、セリ人と仲買業者が手を入れ、指を探りながらセリ落としていく「袋セリ」という方法がとられています。

 天然のトラフグというととても貴重で高価なもの。近年ではいくぶん安価な養殖のトラフグも出回っています。毒があるために調理には各都道府県が定める調理師免許が必要なフグですが、危険な部位を取り除いた身欠きフグは規制緩和により販売してもいいことになりました。内臓などを取り除き、マルのままで梱包されて販売されます。これを薄くそぎ切りにするだけで、ふぐ刺しが家庭でも食べられます。

 大吟醸酒とトラフグの薄造り。魚好きが唸らずにはいられないこの組み合わせは、至福のひとときです。(速水裕樹)

【材料】

身欠きフグ……1尾

アサツキ………1把

ポン酢…………適量

もみじおろし…適量

【作り方】

1.下処理されたフグは、身、皮、頭、ヒレがそれぞれ梱包され身欠きフグとして販売されている。まずは皮を湯引きにする。鍋にたっぷりの湯を沸かし、皮の部分を入れる。1分ほどで氷水に取り、キッチンペーパーで水けをふき取り、細く千切りにする

2.身の部分を3枚におろす。なるべく4角形の柵の形になるように余分なところをそぎ取る

3.柵を丁寧に薄くそぎ切りにして、器に並べていく。皿の中心に向かって放物線を描くように並べていく。皿を回すようにして、置いていくのがコツ

4.アサツキをなるべく小さな小口切りにする

5.ポン酢、アサツキ、もみじおろしを添えて食卓へ