半世紀の潜伏…姿現した過激派最高幹部 背景に世代間対立? 警察当局は注視

「内部対立」が背景か

 清水議長が表舞台に戻った背景について、中核派の広報担当者は「平成27年の大会で定めた活動方針に重大な誤りがあったため」と説明する。方針の決定過程には清水議長も関わっており、「本人から反省の意を示したいとの意向が寄せられた」という。

 実際、集会で清水議長は長年の非公然活動について「労働者階級の勝利」などと成果を強調しつつ、組織の衰退や混乱を「自らの責任」と自己批判した。

 一方、公安関係者は「深刻な内部対立が原因」と指摘する。昨年以降、地方組織幹部の不祥事が続発し処分の方向性で意見が対立。さらに労働運動をめぐる方針の違いも相まって党中央の執行部と地方組織の衝突が激化し、追い込まれた執行部は解任されたという。

 ただ、新執行部も暫定の位置づけで、最高指導者である「清水議長の自己批判」を求める声は根強く、組織分裂の危機感もあり公の場に登場させる機運が高まったとみられる。また、清水議長は長年、住民登録がなかったが、集会直前に中核派が拠点を置く「前進社」(江戸川区)を住所地とし、住民票を復活させたという。

 警察関係者は「最古参の清水議長が登場し反省を示すことで組織の引き締めを狙ったのではないか」とみている。

若手に鬱積?ヤジも…

 再登場した清水議長への組織内の評価は賛否が交錯したという。背景には「世代間格差」があるようだ。

 警察当局は、中核派が約4700人を擁するとみているが、他の過激派と同様に縮小傾向が続く。過去の凄惨(せいさん)なゲリラや内ゲバで危険視され、世論などの支持を失った反省から、労働運動や差別問題などをテーマにした「ソフト路線」にシフトし、若者をターゲットに、インターネットへ動画をあげるなどしている。

 だが、新型コロナウイルスによる自粛の影響などから「重要なリクルートの場である大学でも悲惨な結果」(関係者)に直面。世論の支持が広がらない現状に、若手活動家らが執行部への不満を高めているともされる。

 組織内では、そもそもソフト路線に転換したのに、多大なコストを払って清水議長を匿い続け、危険な組織と印象付けられる矛盾が指摘されていたという。集会でも、清水議長に近い世代が好意的に迎えて拍手を送る一方、活動を直接知らない世代は批判的で、ヤジも飛んだという。

 中核派は、潜伏中の詳細は明かしていないが今後、非公開で開催予定の大会で清水議長が任を解かれ、新議長が選出されるとの予測もある。警察当局は、中核派が今後も暴力性や党派性を隠して勢力拡大を図ると分析しており、慎重に情勢を注視している。