あの「BlackBerry」が5G対応で2021年に復活へ すでに熱烈なファンたちの期待が高まっている

ディスカバリーチャンネルで働くキース・デイヴィッドは、「友人たちがやめたあとも、何年も使っていました」と語る。「OSの『BlackBerry 10』は大好きだったし、スマートフォンの『BlackBerry Passport』(14年発売)も気に入っていました。サポートがあれば使い続けたのですが、アプリメーカーがどんどん撤退してしまったので、仕方なくあきらめました」

デイヴィッドの初BlackBerryは「BlackBerry Pearl」(06年発売)で、07年に購入したという。「真ん中のトラックボールがいいなと思ったんです。それに物理キーボードが好きだったというのはありますね」と、彼は言う。「いまだにタッチスクリーンは嫌いです。『BlackBerry Classic』(14年)が発売されたときには、買うために当時持っていた『iPhone』を売りましたから」

YouTubeの製品レビューや「BlackBerryの今年の動向」といったタイトルの動画は、いまだに20万回以上の再生回数を誇る。こうしたなか「TechOdyssey」というチャンネルを運営するアダム・マットロックは自称「BlackBerryの熱心な支持者」で、定期的に製品レビューやニュースを配信している。

とはいえ、チャンネル登録者からBlackBerryを取り上げてほしいというリクエストなどはないという。マットロックは次のように語る。「ひとつの時代を築いたブランドで誰もが覚えています。なかなか忘れるわけにはいかないでしょう。携帯電話で文章を打つときに物理キーボードに勝るものはなく、生産性とコミュニケーションの代名詞でした」

ちなみにマットロックのお気に入りのBlackBerryは「BlackBerry Classic」で、いちばん最後にもっていたのは「BlackBerry KEY2 LE」(18年発売)だという。彼は同時に、BlackBerryユーザーはここ数年、さまざまな不便を耐え忍ばなければならなかっただろうとほのめかす。

「BlackBerryは遅れを取り戻し、きちんと使える製品を提供しなければなりません。ユーザーはこれまでは妥協を強いられてきましたが、今後はそうしたことは不要になるよう願っています。使いやすい携帯電話には素晴らしいキーボードが付いてくるべきで、逆にキーボードがじゃまになるようでは困るのです」

不都合が「好都合」である理由

PR会社LM Communicationsの創業者のララ・ミンゲイの場合、これまで私用の携帯電話はずっとBlackBerryだったが、今年2月からはiPhoneをもつようになった。ミンゲイはBlackBerryについて、「全モデルもっています。昔の青いモデルも発売当初から使っていたんです」と話す。

ここに来てアップルに屈したのは、愛用のBlackBerry Classicがとうとう壊れたからだ。「動かなくなったんです…。シャットダウンして、そのままになってしまいました」

実はそれだけが理由ではない。QWERTYキーボードは携帯電話でメールを打つには「完璧なツール」だったが、PRという仕事をする上でインフルエンサーの存在を無視できなくなったという。「仕事の関係でInstagramをきちんと表示できないのが困っていました。だからあきらめざるを得なかったんです」

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