競走馬に「次の舞台」を ホースブリッジ社長 小須田牧さん(39) 

引退した競走馬を乗馬用に再調教するホースブリッジの社長、小須田牧さん=山梨県北杜市高根町清里(渡辺浩撮影)
引退した競走馬を乗馬用に再調教するホースブリッジの社長、小須田牧さん=山梨県北杜市高根町清里(渡辺浩撮影)

 中央競馬で平成9年の菊花賞を制したマチカネフクキタルが7月31日、山梨県北杜市高根町清里の小須田(こすだ)牧場で死んだ。フクキタルの場合は「余生」だったが、牧場の代表、小須田牧(まき)さん(39)は引退した競走馬を乗馬用に再調教する会社、ホースブリッジを設立し「次の舞台」を提供している。(渡辺浩)

 マチカネフクキタルは引退した後、北海道で種馬としての役割を終えたんですが、馬主さんとつながりがあったので平成22年に受け入れました。「フクキタルから福をもらいたい」と全国からファンが会いにきて、人気者だったんですよ。最期は眠るように息を引き取りました。

 私の祖父は昭和20年、長野県大日向村(現・佐久穂町)から清里に入植し、馬車での荷物配達や宿泊業を手掛けました。父は観光牧場を始めました。名前の「牧」には父の馬への思いがこもっていて、私は小学生のころは長野県の草競馬に参加していました。

 20歳のときから馬の輸送会社を営む中で、リタイアした競走馬がほとんど殺処分される実態を知りました。毎年7千頭ほどの競走馬が誕生しますが、だいたい6歳までに登録を抹消され、種馬になれなければ多くは食肉にされます。なんとかしたいと、4年前に再調教の事業を始めました。

 2002年釜山アジア大会の馬術・障害飛越団体で金メダルを獲得した小宮山修さんと、国体に何度も出場している安永博紀さんが賛同して、スタッフとして来てくれました。

 前の馬を追い抜くことを教えられてきた馬を乗馬クラブの馬にするのは、そりゃ大変です。でも2人が頑張ってくれたし、馬の世界で2人のことを知らない人はいないので、全国の乗馬クラブが買ってくれました。これまでに700頭ほど送り出しました。