昨年のドラフト会議からまもなく1年になろうとしています。あっという間。まさにそんな気持ちです。
あの時、緊張はしておらず、どこに行くのかなあという楽しみな気持ちでした。あれから1年。プロの試合ではまだ投げていませんが、心も身体も成長していると実感しています。
実は身長も伸びました。これまでは190センチだったのですが、この前、測ってみると192センチになっていました。自分でもビックリでした。マリーンズに入ってから身体強化と成長に重点を置き、栄養にも気をつけながらいろいろなことに取り組んでいる結果かなあと思っています。とてもうれしかったです。
そう思うと勉強をしながら野球をしていた日々が今やもう信じられません。午後4時ぐらいまで授業をして、その後に練習。テスト期間もある。今こうやって朝から夜まで野球中心で、精いっぱいやっている日々が普通になってしまうと、たった1年前であるのに学業と両立していたのが遠い昔のように感じます。
こんなにプロ野球を見たのも初めてだと思います。先輩方がプレーをしている姿を見て、やっぱり野球は奥が深く面白いなあと改めて思いました。
ドラフトからここまであっという間だったように、ここから1年後もきっとあっという間に過ぎると思います。目標に向かって真っすぐ進むことはもちろん大事ですが、前進と後退を繰り返しながらも少しだけでも前に進むことのできる、そんな人間でありたいと思います。
完璧な人間なんていませんので後退をすることもありますし、そもそも後退をすることも成長をする上でとても大切なことだと思います。もちろん、なかなかそこまで達観した気持ちになることはできず、どうしても最短で目標に向かいたいとは思ってしまいますが、失敗する自分もしっかりと受け止め、充実した日々を過ごしていければと思います。
今、チームが優勝争いをしています。ですが自分自身はそんなチームをグラウンドの外から見ている状態で生ではその緊張感を経験できていません。
来年のこの時期にはマウンドで優勝争いに貢献できる投手でありたいと思います。そのためにも今はしっかりと体作りをして心も磨き目標に向かってしっかりと頑張ります。(月1回程度掲載)
佐々木朗希
ささき・ろうき 平成13年11月3日生まれ、岩手県陸前高田市出身。23年に東日本大震災で被災し、同県大船渡市に移った。同県立大船渡高3年生だった31年4月に球速163キロをマーク。夏の岩手大会では花巻東高との決勝に登板せず敗れた。高校日本代表としてU18W杯に出場。192センチ、92キロ。右投げ右打ち。千葉ロッテマリーンズ。背番号17。