インドネシア、ボツワナに届け コロナで帰国の青年海外協力隊がリモート指導

 「すぐに戻ってくる」と言い残して選手たちと別れたが、現地でも感染拡大が深刻になり、村上さんも渡航の見通しは立たない。現地の道場が使えなくなった4、5月、村上さんは腹筋や背筋、ダッシュなどのメニューを組み、日本からオンライン動画を通じて1日2回の指導を続けた。8月には日本のNPO法人に働きかけ、日本の指導者と現地の代表チームがオンライン上でつながる「オンライン・カフェ」を利用し、練習方法などを広めるための交流会を開いた。今後も開催予定という。

 村上さんは20年7月で隊員の任期満了の予定だったが、東京五輪を見据えて21年1月まで延長した。JICAの規定で2度目の延長はできない。コロナ禍が収束すれば、延期された東京五輪に向け、隊員ではなくなっても、自費で現地に渡って指導を続けたいと考えている。

 ブラジルで剣道を指導する中武亮介さんも、宮崎市内の実家に戻って以降、現地へ動画配信や会議アプリを使った遠隔での指導を続ける。

 柔道や柔術が盛んなブラジルだが、剣道競技者は1000人程度。多くが日本からの移住者や日系人だったが、近年は日本の人気マンガ「るろうに剣心」などの影響で若い世代の関心が高まった。

 中武さんはサンパウロに拠点を置きつつ、広いブラジルで日系指導者らがいない地方へも指導に出向いていた。剣道場はなく、床がコンクリートなど環境には恵まれていない。それでも踏み込み方を工夫するなどして、固い地面でも剣道に打ち込める方法を伝えた。

 しかし、ブラジルも感染が拡大し、中武さんも3月下旬に帰国。指導に出向く約束をしていたが、実現できなかった州もあった。JICAからの帰国の連絡も突然で、「お世話になった人にあいさつする時間もなかったのが申し訳なかった」。

会員限定記事会員サービス詳細