インドネシア、ボツワナに届け コロナで帰国の青年海外協力隊がリモート指導

 選手たちに考案した練習メニューを渡し、できる限りの指導を続けた。しかし、3月にはJICAから一時帰国の指示を受けた。2、3カ月で戻るつもりで別れのあいさつにプールへ行くと、号泣する選手もいたという。

 現地も間もなく、軍施設のプールが閉鎖され、選手たちが目標にしていた全国大会も延期が決まった。それでも、選手たちは「『1年のギフト』(時間的余裕)をもらった」と練習への意欲は衰えなかった。小野さんは「日本からできることはないか」と考え、オンラインで指導することを決めた。

 中心は陸上でのトレーニング。「水中での競技だが、実はフォームの習得や基礎体力作りは陸上でできる」と小野さん。現役時代のトレーニングノートを見直したり、帰国後に日本の指導者に教えを請うたりして、自身の指導レベルの向上も目指す。隊員の任期は来年9月まで。再渡航の予定は立たないが、「選手たちの目標達成をできる限り手伝いたい」と意気込む。

 村上瑠希也さんはアフリカ南部のボツワナで柔道を教える。地元の青森で5歳から大学卒業まで柔道に打ち込み、全国大会にも出場した。弘前市が東京パラリンピックの柔道ブラジル代表チームの事前合宿地に決まったことで国際交流に興味を持ち、大学卒業後の2018年7月から隊員になった。

 ボツワナでは柔道はマイナー競技で、道場は国内に1つだけ。選手らは日本から寄付された柔道着に袖を通して稽古する。村上さんは首都で子供から代表メンバーまで30~50人を指導。16年リオデジャネイロ五輪代表にもなった男子選手が1人いるが、4月に開催予定だった東京五輪出場権をかけたアフリカ選手権が中止に。「東京五輪にはボツワナの選手団スタッフとして参加を楽しみにしていた」と話す村上さんも、まだ現地で感染者が確認されていなかった3月下旬に帰国を余儀なくされた。

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