芦屋に照準で10億円追徴、国税PTが富裕層の監視強化

芦屋に照準で10億円追徴、国税PTが富裕層の監視強化
芦屋に照準で10億円追徴、国税PTが富裕層の監視強化
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 関西屈指の高級住宅街として知られる兵庫・芦屋で、大阪国税局が過去1年間で所得税や贈与税など計約44億9千万円の申告漏れを指摘し、計約10億5千万円の追徴を課していたことがわかった。富裕層への調査は近年、国税当局の最重要課題の一つとされており、管轄する大阪国税局芦屋税務署でも、特別チームを結成し対策を強化。その成果が出た格好だ。(入沢亮輔)

全国で763億円

 「『パナマ文書』の流出で資産家や大企業などの課税逃れの実態が明らかになったが、資産隠しは巧妙になっている。当然、海外に資産を移転すれば、国税当局は資産の把握が難しくなる」。ある国税OBはこう明かす。

 国税庁では、こうした海外への資産隠しや国際的な租税回避行為に対応するため、高額な資産があると認められる個人や法人の調査を強化しており、平成26年に東京、名古屋、大阪の3つの国税局に「富裕層プロジェクトチーム(PT)」を設置し、29年には全国税局に広げた。

 ほかにも海外に計5千万円超の資産を保有する個人に「国外財産調書」の提出を義務付ける制度の導入や、世界各国の金融口座情報が自動的に交換される「CRS(共通報告基準)」の運用を始めるなど、これまでさまざまな策を講じてきた。

 同庁は富裕層の定義について明らかにしていないが、同庁がまとめた富裕層に対する調査結果によると、令和元年6月までの1年間で、全国で763億円(前年比13・9%増)の申告漏れ所得があり、近畿6府県を所管する大阪国税局でも136億円(同61・9%増)と、いずれも現在の統計が始まった平成21年以降で最高となった。