ダイワボウホールディングス(HD)は30日、複数の企業間で製品を回し、架空の売り上げや利益を計上する「循環取引」が子会社の大和紡績で判明したと発表した。大和紡績に所属していた元営業担当の男性社員が、繊維製品で不適切な取引を平成26年1月から続けていたことが、今月上旬に発覚。業績に及ぼす影響は、現時点で累計約19億円の損失が見込まれるという。
ダイワボウHDは今回の件を踏まえ30日、弁護士や公認会計士ら外部専門家を含む特別調査委員会を設置。循環取引の原因や動機、加担した企業など全容を調べ、10月末をめどに再発防止策、業績への影響額も含めて公表する。
この男性社員はもともと傘下の旧ダイワボウノイに所属し、営業を担当。同社が4月に大和紡績へ吸収合併された後も同じ業務を続けていた。現在は大和紡績から同社の子会社へ転籍しており、特別調査委員会の調査後、正式に処分を決めるという。
ダイワボウHDの広報担当者は「株主、投資家の皆さまをはじめとする当社グループに関係する皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけすることになりましたことを深くお詫び申し上げます」と話している。