座間9人殺害 初公判詳報

(2)「金づるか見極め…」「明示の自殺承諾ない」検察側主張

男女9人の遺体が発見された白石隆浩被告が住んでいたアパート=2017年11月9日、神奈川県座間市(寺河内美奈撮影)
男女9人の遺体が発見された白石隆浩被告が住んでいたアパート=2017年11月9日、神奈川県座間市(寺河内美奈撮影)

 《神奈川県座間市のアパートで10~20代の男女9人の切断遺体が見つかった犯罪史に名を残す凄惨(せいさん)な事件。東京地裁立川支部で始まった白石隆浩被告(29)の初公判では、検察側の冒頭陳述が始まった》

 検察官「被告人が約2カ月間に、SNSを利用して知り合った計9人に一緒に自殺しようなどとだまして首を絞めるなどして失神させ、女性の被害者8人については強制性交し、9人の首をつって殺害し、現金を奪い、死体を細かく切断して捨てた、連続強盗・強制性交殺人などの事件です」

 《残忍極まりない犯行について、検察官の発言に注目が集まる。白石被告は身動きせずにじっとしている》

 検察官「発覚の経緯は、9人目の被害者であるIさんの行方不明届を警察が受理し、失踪間際にSNSでやり取りしている白石被告を警察が突き止めて、自宅を訪問した」

 検察官「当初、白石被告はIさんの行方は知らないと話したが、観念し自白。白石被告の説明通り、室内のボックスから9人の頭部が見つかった」

 《9人に対する犯行の詳細は後日、法廷で明らかにされる。検察側はその概要を「別紙」で示した》

 《9人のうち8人については、いきなり手で首を絞めて失神させ、うち7人の女性とは強制性交し、その後、ロープで首をつって殺害。Fさんについては、寝ていたところを緊縛し、首にロープをかけるなどしていたところ、Fさんが覚醒。首を絞めて失神させて強制性交し、同じように首をつって殺害したと、検察側は説明した》

 検察官「死体は損壊し遺棄した。殺害後、証拠隠滅のため、肉片内臓は一般ごみに。頭は自宅のクーラーボックスで保管した」

 《続いて、白石被告の経歴などが語られる》

 検察官「平成2年、神奈川県で生まれ、高校卒業後、スーパー(マーケット)やパチンコ店など職を転々とした。27年10月、女性を風俗店などに紹介するスカウトの仕事をはじめ、29年2月にはスカウトの関係で職業安定法違反で起訴された」

会員限定記事会員サービス詳細