正代、貴景勝止めた 2敗守り初賜杯へ平常心強調

正代(左)が突き落としで貴景勝を下した=両国国技館(桐原正道撮影)
正代(左)が突き落としで貴景勝を下した=両国国技館(桐原正道撮影)

 大相撲秋場所13日目は25日、両国国技館で行われ、関脇正代は大関貴景勝を突き落としで破った。

 優勝を占う2敗同士の大一番。大関に快勝して勝ち名乗りを受けた正代は、ニコリともしなかった。花道を引き揚げてくると、涼しい顔でこう言った。「イメージしていたような相撲が取れた」。賜杯を抱くにふさわしい強者の風格をまとい始めた。

 立ち合い。頭でぶつかってきた貴景勝に一歩も引かず、出足を止めてペースを握った。体を当ててくる相手をいなすと、最後は体を左に開いて突き落とした。土俵下の藤島審判長(元大関武双山)は「圧力があって押されない。力を付けている」とうなった。

 1月の初場所で初めて優勝争いを演じた。貴景勝を破った直後には小走りで花道を下がりガッツポーズしていた。今場所は別人のように落ち着いている。7月場所は千秋楽まで賜杯を争った。「自信もついたけど、緊張との付き合い方が分かってきた」と話す。

 初優勝に加え、今場所後の大関昇進にも可能性が出てきた。昇進の目安は「三役で直近3場所計33勝」。関脇だった3月の春場所で8勝、続く7月場所で11勝した。残り2番に勝つと計32勝。優勝すれば箔(はく)が付く。朝乃山は計32勝で昇進している。

 千秋楽までは人生を左右する2日間になる。28歳の関脇は静かに平常心を強調した。「(優勝は)不思議なくらい意識していない。けがなく2番とって、笑顔で部屋に戻れたらいい」。勝負の土俵を前に、自分に言い聞かせているようだった。(浜田慎太郎)

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