経済インサイド

兜町でささやかれる「選挙は買い」 米大統領選がリスクに

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菅義偉政権の誕生で、海外投資家の日本株回帰への期待が高まっている。菅氏が第2次安倍晋三政権の主要な政策を踏襲することが安心感を誘っているからだ。だが、それ以上に海外投資家が関心を持っているのは、衆院解散・総選挙の動向だ。長らく自民党が支配してきた日本では「選挙は買い」と言われてきた。ただ、10月中にも解散となれば、米大統領選とぶつかる。トランプ大統領が再選を果たせなければ、米国株は失望売りを免れず、海外投資家の日本株への投資姿勢も及び腰になる可能性もある。

東京証券取引所によると、9月第1週(8月31日~9月4日)の投資部門別株式売買動向で、海外投資家は3週ぶりに買い越しに転じた。この週は菅氏が安倍氏の後継候補に名乗りを上げ、「アベノミクスの継承」を明言したことで、市場に安心感が広がった。

すでに菅氏の発言を材料にした取引も活発化している。菅氏が会見で通信料金引き下げや地方銀行の再編に言及するたびに、通信株は下落し、地銀株は上昇するといった具合だ。

だが、市場全体が活気づく状態にはほど遠い。「『スガノミクス相場』は今のところ局地的なものにとどまっている」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)との見方が大半だ。

選挙は株価にプラス

こうした中、投資家がいま最も気にしているのは総選挙の動向だ。

みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストによると、平成2年以降、過去10回の衆院解散日と投票日直前の営業日で比べた日経平均は9勝1敗。平均騰落率はプラス3.46%と堅調だ。

特に民主党政権が誕生した21年8月の「政権交代解散」の総選挙では9%超、自民党が政権を取り返した24年12月の「近いうち解散」の総選挙では7%超の大幅高となった。