新聞に喝!

安倍政権支えた「若者の勝利」 作家・ジャーナリスト・門田隆将

平成29年10月の衆院選で、開票が進み、当確のバラが並ぶ自民党本部で笑顔を見せる安倍首相=東京・永田町
平成29年10月の衆院選で、開票が進み、当確のバラが並ぶ自民党本部で笑顔を見せる安倍首相=東京・永田町

安倍政権の7年8カ月は、新聞や地上波というオールドメディアによる印象操作報道との闘いでもあった。その意味でマスコミに対して全面戦争を厭(いと)わなかった政権という見方もできるだろう。

それをあと押ししたのは、ネットの発達だ。マスコミの印象操作の手法は次々とネットで明らかにされ、安倍政権には大きな助けとなった。だが敵も最後までその攻撃を止めることはなかった。

代表格である朝日新聞が12日付で〈若者が見た安倍さんの7年8カ月〉という興味深い記事を掲載した。ネットといえば若者。安倍政権の政権支持率は平均で44%。だが、18~29歳男性の支持率に限ると実に57%だった。まさに安倍政権を支えたのは、若者層だったのだ。その最大支持層の話を集めた記事である。記者はモリカケ・桜への批判を若者から聞き出そうとするが、ほとんど出てこない。

それはそうだろう。ネットでは多くの証拠が提示され、事実無視の単なる印象操作記事は糾弾対象になってきたからだ。若者は世論誘導に騙(だま)され易(やす)い情報弱者たちと一線を画していたのだ。

だが朝日は〈モリカケや桜を見る会の問題は「国家予算からしたら大きな話ではない」としか思えない〉と、本当は悪いが若者は金銭的な比較で「問題にしていない」と、ここでも印象操作を忘れない。それでも「小中学生のころは、首相がコロコロと交代していた印象がある。在任7年8カ月は長いと思うけど、安倍さんは外交などで行動力もあって信頼していた」と記者の誘導に負けない若者たちの話は頼もしい。いくら操作しようとしても、それが通じない層によって安倍政権は支えられたことが分かる。

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