藤井聡太棋聖インタビュー 「まだ強くなる余地ある」

藤井棋聖誕生 盤面に刻む快挙 9月23日に就位式

 将棋のタイトル戦「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(主催・産経新聞社、日本将棋連盟、特別協賛・ヒューリック)で、初防衛を目指した渡辺明前棋聖(36)=名人・棋王・王将=を3勝1敗で破り、17歳11カ月の史上最年少で初タイトルの棋聖位を獲得した藤井聡太新棋聖(18)の就位式が23日、行われる。「タイトルホルダーとしてしっかりした将棋を見せていかなければ」と語る藤井棋聖に全4局のポイントとなった局面を挙げてもらった。(田中夕介)

 ■第1局 6月8日 東京・千駄ケ谷の「将棋会館」

 ▲藤井聡太七段 △渡辺明棋聖

 午後7時44分、157手で藤井七段の勝ち

 ≪初戦光る終盤力≫

 17歳10カ月と20日の史上最年少でタイトル戦の大舞台に立った藤井七段が現役最強棋士の渡辺棋聖に挑んだ五番勝負。振り駒で先手となった藤井七段が選択した戦型は、渡辺棋聖が得意とする矢倉だった。

 藤井七段が挙げたポイントは109手目の▲1三角成の局面。藤井七段が今シリーズで一番印象に残る一手としている。

 「先手としては、かなり突っ張った手です。この局面の前に▲7五香△同銀と進み、先手は後手の7五の銀を、歩か銀のどちらかで取り返すのが自然な手です。▲1三角成は、いったん王手をして相手の手を見てからどちらで手を戻すか決めようという狙いです」

 詰め将棋には「打診の手筋」がある。自陣にいる相手の駒に働きかけて、「成」か「不成」かの選択を聞く意味だ。

 この▲1三角成の王手に対して後手がどう対応するかによって、自分の手を決めるという「打診の手筋」の応用といえる。詰将棋解答選手権チャンピオン戦で5連覇中の藤井七段が、その実力を実戦で生かした。

 「このあたりで良くなった可能性があります。大きなポイントとなったと思います」。両者1分将棋の中、渡辺棋聖の16連続王手を冷静に読み切り、タイトル戦初戦を白星で飾った藤井七段の終盤力を見せつけた一局だった。